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いたずらこぞうにっき

いたずら小僧日記

佐々木 邦

Read いたずら小僧日記 (いたずらこぞうにっき) by 佐々木 邦 (ささきくに) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 63,226 characters · 128 screens

Aozora Bunko

是は全く円い。しかし彼は全か空虚か分らないから、近日に穴を明けて見よう。乃公は空虚として置く。

尚お算術を教わる。是は奥さんが先生だ。可笑な事が書いてある本だ。太郎が五つ凧を持っている、二郎は十持っている、三郎は十五持っている。三人のを合せると三十になるのは異存ないけれど、十五は嘘に極っている。凧屋じゃあるまいし、十の十五のって持っている子があるものか。

校長と奥さんの外に先生がもう一人いる。お花姉さんよりも少し年が寄っていて、名を大内さんという。乃公は此先生が好きだけれども、善ちゃんは彼は老嬢だと言った。老嬢だって構わない。乃公は自分が家に居た頃の話をして聞かせたら、大層同情してくれた。そして寂しい時には何時でも遊びに入らっしゃいと言った。其中に遊びに行こう。

家郷病は悲しいものだ。昨夜は種々の事を思出して半時間ばかり寝つかれなかった。お島の事を考えたら、不図お島の従兄だという彼の藪睨みの顔が目の前に浮んだ。藪睨みなんて、調法なものだ。あれなら右の目で本を見て、左の目で外見が出来るから、校長に捉りっこない。乃公も藪睨みに生れて来ればよかった。

どうも皆は乱暴で仕方がない。