Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

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おしげ

お繁

山本 周五郎

Read お繁 (おしげ) by 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 6,857 characters · 14 screens

Aozora Bunko

「ばかなことかどうか知んねえが、大長丸がおらの機械船を沈めたなあ本当でがすよ」

「わしがねえと云ったらねえのだ、そんなこたあねえよそれともいしゃあ因縁をつける気かね、そんならそうとわしのほうにもつもりがある、出るとこへ出て黒白をつけべえ」

銀太郎は舌が角張ってしまい、胴震いさえ出てきた。ああ出るところへ出る……金もなく地位もない人たちにとって、この言葉はどんなに恐ろしい威嚇をもっていることであろう。

銀太郎は帰って来た。それから意を決して駐在所へでかけた。

「うむ……」

事情を聴きとった人の好い警官は、髭を舐め舐め云った、「ところでおまえは、その相手が大長丸だという証拠を持っているかね」

「証拠にもなんにも」

と彼はせきこんで答えた、「おらがこの眼で見ただから間違えはねえ、エキゾスの音を聞いただけでも村の者ならちゃあんと分るだ、誰にでも訊いてくだせえまし」

「それはそうだろう、しかし証拠となるとそんなことでは役に立たんよ。どこか他処の船がおまえのをぶち壊す、その船は行ってしまう、どこの船だか分らない、そこでおまえは大長丸だっと云う……こういうことだってできるからな」