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さんしろう
三四郎
Read 三四郎 (さんしろう) by Natsume Sōseki (夏目 漱石) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 169,765 characters · 343 screens
と広田が言った。
「ええ乱暴です。イブセンの女のようなところがある」
「イブセンの女は露骨だが、あの女は心が乱暴だ。もっとも乱暴といっても、普通の乱暴とは意味が違うが。野々宮の妹のほうが、ちょっと見ると乱暴のようで、やっぱり女らしい。妙なものだね」
「里見のは乱暴の内訌ですか」
三四郎は黙って二人の批評を聞いていた。どっちの批評もふにおちない。乱暴という言葉が、どうして美禰子の上に使えるか、それからが第一不思議であった。
与次郎はやがて、袴をはいて、改まって出て来て、
「ちょっと行ってまいります」と言う。先生は黙って茶を飲んでいる。二人は表へ出た。表はもう暗い。門を離れて二、三間来ると、三四郎はすぐ話しかけた。
「先生は里見のお嬢さんを乱暴だと言ったね」
「うん。先生はかってな事をいう人だから、時と場合によるとなんでも言う。第一先生が女を評するのが滑稽だ。先生の女における知識はおそらく零だろう。ラッブをしたことがないものに女がわかるものか」
「先生はそれでいいとして、君は先生の説に賛成したじゃないか」
「うん乱暴だと言った。なぜ」
「どういうところを乱暴というのか」