Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
さんしろう
三四郎
Read 三四郎 (さんしろう) by Natsume Sōseki (夏目 漱石) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 169,765 characters · 343 screens
しかもたいてい知り合いのあいだだから、形式はまったく不必要である。目的はただおおぜい寄って晩餐を食う。それから文芸上有益な談話を交換する。そんなものである。
広田先生は一口「出よう」と言った。用事はそれで済んでしまった。用事はそれで済んでしまったが、それから後の原口さんと広田先生の会話がすこぶるおもしろかった。
広田先生が「君近ごろ何をしているかね」と原口さんに聞くと、原口さんがこんな事を言う。
「やっぱり一中節を稽古している。もう五つほど上げた。花紅葉吉原八景だの、小稲半兵衛唐崎心中だのってなかなかおもしろいのがあるよ。君も少しやってみないか。もっともありゃ、あまり大きな声を出しちゃいけないんだってね。本来が四畳半の座敷にかぎったものだそうだ。ところがぼくがこのとおり大きな声だろう。それに節回しがあれでなかなか込み入っているんで、どうしてもうまくいかん。こんだ一つやるから聞いてくれたまえ」
広田先生は笑っていた。すると原口さんは続きをこういうふうに述べた。
「それでもぼくはまだいいんだが、里見恭助ときたら、まるで形無しだからね。どういうものかしらん。