Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

にひゃくとおか

二百十日

夏目 漱石

Read 二百十日 (にひゃくとおか) by Natsume Sōseki (夏目 漱石) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 29,466 characters · 60 screens

Aozora Bunko

――そうして、非常ないびきをかいて――」

「そうか、そりゃ失敬した。あんまり疲れ過ぎたんだよ」

「時に天気はどうだい」

「上天気だ」

「くだらない天気だ、昨日晴れればいい事を。――そうして顔は洗ったのかい」

「顔はとうに洗った。ともかくも起きないか」

「起きるって、ただは起きられないよ。裸で寝ているんだから」

「僕は裸で起きた」

「乱暴だね。いかに豆腐屋育ちだって、あんまりだ」

「裏へ出て、冷水浴をしていたら、かみさんが着物を持って来てくれた。乾いてるよ。ただ鼠色になってるばかりだ」

「乾いてるなら、取り寄せてやろう」と碌さんは、勢よく、手をぽんぽん敲く。台所の方で返事がある。男の声だ。

「ありゃ御者かね」

「亭主かも知れないさ」

「そうかな、寝ながら占ってやろう」

「占ってどうするんだい」

「占って君と賭をする」

「僕はそんな事はしないよ」

「まあ、御者か、亭主か」

「どっちかなあ」

「さあ、早くきめた。そら、来るからさ」

「じゃ、亭主にでもして置こう」

「じゃ君が亭主に、僕が御者だぜ。負けた方が今日一日命令に服するんだぜ」

「そんな事はきめやしない」

「御早う……御呼びになりましたか」

「うん呼んだ。