Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ぜんきてんまやけ
前記天満焼
国枝 史郎
Read 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 48,568 characters · 98 screens
ソレ!」と飛び込むと一揮した。
「次はどいつだ。誰でもよい、行くぞ!」と叫ぶとまた一躍し、つれて悲鳴! 倒れる音がした。
邪教徒たちがバタバタと逃げ出した。
26
それを追っかけた宇津木矩之丞は、信徒に囲まれ龕を捧げ、逃げて行くお久美へ追い付いたが、
「天誅!」と叫ぶと背後袈裟に、右肩から背筋へまで斬り付けた。
龕が投げられ、悲鳴が起こり、お久美が倒れてノタ打つのを、宙へ舁きのせたが狂信者の群は、矩之丞の手並に恐れたのであろう、往来の方へなだれ出た。
もう追おうともしなかった。宇津木矩之丞は血刀を拭うと、ソロリと鞘へ納めたが、
「何か加賀屋にあったようだ」
裏木戸までスルスルと引っ返した時、その裏木戸が中から開けられ、
「お武家様いかがでございました」
岡引の松吉が顔を出した。
「ちょっとお入り下さいまし、加賀屋の主人と若旦那とが。……」
「源右衛門殿がな」と入ったが、やがて遠々しく声がした。
「や、若主人が源右衛門殿を!」
「ナーニ、からくりでございます」
岡引の松吉の声である。
一方鮫島大学の身にも、一つの事件が起こっていた。
「さあさあ方々出動なされ、面白い芝居が打てましょうぞ。