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けんきょう
剣侠
国枝 史郎
Read 剣侠 (けんきょう) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 156,961 characters · 310 screens
「主君の内意をお伺いして」
よしと云ったら連れて行こう。こう不図主水は考えつき、上役を介して伺いを立てた。
と、主君が仰せられた。
「親の敵を二人の子が討つ、しかも一人は女とのこと、健気である。仕れ。聞けば澄江は小太刀を使うとのこと、足手まといなどにはならぬであろう」
さらに奥方よりは澄江に対して、守袋と金一封をさえ、使者を以て下された。
上々吉の首尾であった。
こうして二人は旅へ出た。
先ず甲州へ出かけて行った。
と云うのは陣十郎は寄食している間、過去に悪事でも犯しているためか、その過去について語ろうとせず、訊いても言葉を濁らせて、真相らしいことは云わなかったが、しかし鴫澤家に寄食する直前、甲州辺りの博徒の家に、賭場防ぎ即ち用心棒として、世話になっていたということを、問わず語りに語ったことがあった。
雲を掴むような洵にあやふやな、あてにならないあてであったが、その他には探すあてが無かったので、二人――主水と澄江との二人は、ともかくも甲州へ行くことにした。
さて甲州へ行って尋ねたところ、栗原宿の博徒の親分、紋兵衛という老人が、二人にとってはかなり為になる、耳寄の話を話してくれた。