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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Read 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) by 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 251,906 characters · 495 screens
孕む事五月にして子を生んで多く澗に浴す。その性騒動にして物を害す、これを畜う者、杙上に坐せしめ、鞭つ事旬月なればすなわち馴ると。
時珍より約千五百年前に成ったローマの老プリニウスの『博物志』は、法螺も多いが古欧州斯学の様子を察するに至重の大著述だ。ローマには猴を産しないが、当時かの帝国極盛で猴も多く輸入されたから、その記載は丸の法螺でないが曰く、猴は最も人に似た動物で種類一ならず、尾の異同でこれを別つ、猴の黠智驚くべし、ある説に猟人黐と履を備うるに猴その人の真似して黐を身に塗り履を穿きて捕わると、ムキアヌスは猴よく蝋製の駒を識別し習うて象戯をさすといった。またいわく尾ある猴は月減ずる時甚だ欝悒し新月を望んで喜び躍りこれを拝むと、他の諸獣も日月蝕を懼るるを見るとさような事もありなん。猴の諸種いずれも太く子を愛す、人に飼われた猴、子を生めば持ち廻って来客に示し、その人その子を愛撫するを見て大悦びし、あたかも人の親切を解するごとし。さればしばしば子を抱き過ぎて窒息せしむるに至る。
狗頭猴は異常に獰猛だ。カリトリケ(細毛猴)はまるで他の猴と異なり顔に鬚あり。