Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
Read 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) by 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 81,668 characters · 164 screens
な生涯を送る程の意気込もあって欲しい、と言って聞かせた。
私は生徒の方を見た。生徒は私の言った意味を何と釈ったか、いずれも顔を見合せて笑った。中には妙な顔をして、頭を擁えているものもあった。
学窓の二
樹木が一年に三度ずつ新芽を吹くとは、今まで私は気がつかなかった。今は九月の若葉の時だ。
学校の校舎の周囲には可成多くの樹木を植えてある。大きな桜の実の熟する頃なぞには、自分等の青年時代のことまでも思い起させたが、こうして夏休過に復たこの庭へ来て見ると、何となく白ッぽい林檎の葉や、紅味を含んだ桜や、淡々しい青桐などが、校舎の白壁に映り合って、楽しい陰日向を作っている。楽しそうに吹く生徒の口笛が彼方此方に起る。テニスのコートを城門の方へ移してからは、桜の葉蔭で角力を取るものも多い。
学校の帰りに、夏から病んでいるBの家を訪ねた。その家の裏を通り抜けて石段を下りると、林檎の畠がある。そこにも初秋らしい日が映っていた。
田舎教師
朝顔の花を好んで毎年培養する理学士が、ある日学校の帰途に、新しい弟子の話を私にして聞かせた。
弟子と言っても朝顔を培養する方の弟子だ。