Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

こくをみる

古句を観る

柴田 宵曲

Read 古句を観る (こくをみる) by 柴田 宵曲 (しばたしょうきょく) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 166,028 characters · 333 screens

Aozora Bunko

「日のさし残る小芝はら」の印象は頗る鮮である。

世のさまや質屋にかゝる涅槃像    除風

寺になければならぬ涅槃像、年に一度涅槃会にかけて、世尊入滅の日を偲ぶべき涅槃像が質屋の壁にかかっている。在家の人の持つまじきものだから、寺の住持が金にでも困って典したのであろう。鳥も獣も斉しく涙を流している涅槃像だけに、質屋にかかっているのは情ない。作者はそれを「世のさまや」と歎じたのである。この歎息は尤千万ではあるが、句としてはかえってつまらぬことになっている。

年に一度あればいい品物だから、不断は質に置いて、涅槃会の前に受出すのかもわからない。あるいは太夫が語り物を典し、雲助が褌を質に置くように、寺としてなければならぬものを置くので、質屋の方でも安心して取るのかも知れない。そういう点を描いたら、少し平凡の嫌はあるけれども、西鶴あたりの一材料にならぬとも限らぬ。更に下って川柳子の嘲笑を浴びそうな事実である。

いずれ末世における売僧の仕業であるが、質屋の壁で風に吹かれている有様は、涅槃会ならぬ日の事と解したい。

雪ちるや梅の垣根の魚の骨    巴水

梅の咲いている垣根に魚の骨を捨てる、降出した雪がその上にかかる、というのである。