Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 167,105 characters · 337 screens
それが五体ともに、またゆうべと同じ松、同じ枝につるしてあったというのは、さらに奇怪です。あまつさえ、伝六が出たっきり帰らないというのも、不思議のうちの不思議でした。
「まだ柳橋へかからぬか」
「珍しくお急きですね。もうひとっ走り――、参りました! 参りました! ちょうどいま柳橋ですが、これから先はどっちでござんす」
「北鳥越じゃ。自身番へやれッ」
何はともかく、ゆうべのいつごろ、どんなふうにして盗み出されたか、それを詳しく洗ってみるのが事の第一です。
「あッ。ようこそ。面目ござりませぬ。たいせつな預かりものを、とんだ不始末いたしまして、お会わせする顔もござりませぬ」
土色に青ざめて、うろたえ騒いでいる小役人たちに迎えられながらはいっていくと、むだがない。ゆうべそのうえに死体を置いたらしく、いまだに敷いたままである新むしろの位置から小屋の出入り口、表の通りの路地のぐあい、いちいちとまず注意深く見しらべました。表の出入り口は北鳥越町の通りに面して、油障子が二本。むしろの敷いてあるところはその出入り口をはいったすぐの左土間です。
土間につづいて八畳敷きの詰め所とその横に寝べやが並び、詰め所の奥に湯沸かし場があって、ここにもう一つ障子一枚の出入り口があり、外は表の通りからちょうどかぎの手になっている行き止まりの袋路地でし