Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Read 名人地獄 (めいじんじごく) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 149,286 characters · 301 screens
米八はいくらか愁眉をひらき、チラリと鏡を覗いてから、次郎吉の方へ膝を向けた。
「まだあるのよ、気になることが」
「文句の多い立おやまさね」次郎吉はちょっとウンザリしたが、「おおせられましょう、お姫様、とこう一つ行くとするか」
「真面目にお聞きよ、心配なんだからね」
「おい、どうするんだ、邪慳だなあ。煙管ならそっちにあるじゃねえか」
「お前さんの煙管でのみたいのさ」
「へん、安手な殺し文句だ」
「でも、まんざらでもないでしょうよ」
「こんどは押し売りと来やがったな。あッ、熱い! なにをしやがる!」
左の頬を抑えたのは、雁首の先をおっつけられたからで。
「いい気味いい気味、セイセイしたよ」
「地震の後はどうせ火事だ。諦めているからどうともしなよ」
ゴロリと次郎吉はあおむけになった。
「節穴の多い天井だなあ。暇にまかせて数えてやるか。七ツ八ツ九ツ十」
「莫迦にしているよ、呆れもしない」
「そのまた莫迦が恋しくて、離れられないというやつさ」
「いい気なものさ、しょってるよ」
「あっ、畜生、五十八もあらあ」
とうとうみんな数えたらしい。
腑に落ちない色々の事
「ほんとにそうだよ」