Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ちていせんしゃのかいじん
地底戦車の怪人
海野 十三
Read 地底戦車の怪人 (ちていせんしゃのかいじん) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 55,000 characters · 111 screens
おれの脳みそは、林檎の匂いがするぞォ!」
ああ十五個!
「いや、これで、よく分ったよ」
彼ピート一等兵は、あんがい、おちついたこえで、ひとりごとをいった。
「むかしから、しんるいの奴や友だちがおれをつかまえて、お前は、どうも脳がどうかしていて、あたまが、はたらかない。お前の脳みそは、どうかしているんじゃないかと、よくいわれたもんだが――」
と、そこで彼は、大きなため息をついて、
「でも、まさか、おれの脳みそが、林檎でできているとは、気がつかなかったね」
もし、そばで、パイ軍曹が、ピート一等兵のひとりごとをきいていたとしたら、彼は軍曹から、耳ががーんとするほど、叱りとばされたことであろう。いまパイ軍曹は、叱りとばすどころではなく、人事不省におちいっていたのは、ピート一等兵のため、はなはだ幸運であった。
「おれは、へそのおを切ってから、こんなにおどろいたことは、はじめてだぞ。しかし、このように脳みそが、はみだしてしまっては、おどろいたって、もうおそい。えい、しようがない。こうなれば、やけくそだ。じぶんの脳みそを、なめちまえ」
ひどい奴があったものである。