Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
おおとりものせんにんつぼ
大捕物仙人壺
国枝 史郎
Read 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 47,606 characters · 97 screens
、伊丹屋の娘だということなどを、細々と説明したのであった。
「ふうむ、そうかい、なるほどなあ。そう聞くとちょっと不思議だなあ。とんだ手蔓にぶつかるかもしれねえ。だが何にしても蓋をあけて、中味を拝見しなけりゃあ」
そこで錠前をコヂ開けようとした。しかし錠は開かなかった。
「こいつアいけねえ、千枚錠だ。どんなことをしても開くものじゃあねえ。千枚錠ときたひにゃあ、合鍵だって役に立たねえ。箱を潰すのはワケはねえが、中味が何だか解らねえからな、そいつもちょっと手控えだ。……ところで鍵はなかったのかい?」
25
「ええ、それがなかったんですよ」
「探したらどこかにあるだろう。帰って窃り探して見な」
「そうねえ、それじゃ探してみよう」
永い春の日の暮れかかった頃、お花は屋敷へ帰って行った。
数日経ったある日のこと、駕籠に乗った伊丹屋のお錦が、義哉の屋敷へ訪れて来た。
その後やはり気分が悪く、今迄寝ていたということであった。
「これでございますの、手箱の鍵は」
お錦はこう云って鍵を出した。
義哉はそこで事情を話した。
「おや、マアさようでございましたか」お錦は意には介しなかった。