Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
たいくうまかん
大空魔艦
海野 十三
Read 大空魔艦 (たいくうまかん) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 31,098 characters · 63 screens
ではその方へ、物語を移してみよう。
ここは例の氷庫の前の、空魔艦の根拠地であった。
丁坊をとらえた方の空魔艦「足の骨」の機長室では「笑い熊」と称ばれる機長が、マスクをしたまま一つの機械をいじっている。そのまわりには、六七人の幹部のほかに、中国人チンセイも加わって機械を注視している。
「こっちの機械はよく働いているんだから、もうそろそろ聞えてきてもいい筈だ」
と「笑い熊」はいった。
暫くすると、その機械から、ぼそぼそと語りあう話声がきこえてきた。
「笑い熊」は緊張して、機械の目盛盤をしきりに合わせた。
“隊長さん。なぜあなたがたは、こんな北極まで探険にこられたのですか。その目的はどんなことなのですか”
そういう声は、紛れもなく丁坊の声であった。なぜ丁坊の声がきこえてくるのか。
“お前が日本人なら聞かしてもいいことなんだが――”
という声は、たしかに隊長大月大佐の声であった。「笑い熊」はマスクの中でにやりと笑って、
「いよいよ喋りだしたぞ。あっはっはっ、探険隊の奴らも小伜も、まさかあの小伜の身体を包んだゴム袋の中に、無線電話機が隠してあるとは気がつかなかろう。