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のちのなりひらぶんじ
後の業平文治
三遊亭 円朝
Read 後の業平文治 (のちのなりひらぶんじ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 109,545 characters · 216 screens
上、お知らせ申す事に致しましょう」
文「それは辱(かたじけ)ない、何分(なにぶん)宜しく」
一同「さア、いよ/\面白くなって来たぞ」
と皆々腕を撫(さす)って居りまする。さて中山道(なかせんどう)高崎より渋川、金井、横堀、塚原、相俣(あいまた)より猿が原の関所を越えて永井の宿(しゅく)、これを俗に三宿(さんしゅく)と申しまして、そろ/\難所(なんじょ)へかゝります。三国峠(みくにとうげ)へ差しかゝりました文治と妻お町の二人連れ、
文「漸(ようよ)うのことで國藏、森松、亥太郎の三人を言い伏せて出立いたしたが、いや藤原は身内のこと、まして侍だが、町人三人の志、実に武士も及ばんなア、さぞ/\後(あと)で怨んでいようが、苟(かりそ)めにも親の仇討(あだうち)に出立する者が、他人の助力を受けたとあっては、後日世間の物笑いになるからな」
町「はい、実にお留守中も貴方(あなた)がおいでの時と少しも変りなく、朝夕まいりまして一方(ひとかた)ならぬお世話をして下さいました」
文「左様かな、併(しか)し今日(こんにち)は霜月(しもつき)の中日(ちゅうにち)、短日(たんじつ)とは云いながらもう薄暗くなったなア」