Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
のちのなりひらぶんじ
後の業平文治
三遊亭 円朝
Read 後の業平文治 (のちのなりひらぶんじ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 109,545 characters · 216 screens
海中に櫓櫂もなく、一人(ひとり)にて取残されしは何(なん)たる不運ぞ、今この吉藏が臨終(いまわ)の一言(いちごん)、海賊の頭を殺して再び其の跡を受継ぎしは大伴蟠龍軒、医者は秋田と聞くからは、こりゃ滅多には死なれぬわい、何処の島かは知らねども最早岸には一二丁、夜(よ)の明けるのを待った上、命限りに助けを得て、新潟沖の親船に賊窟(ぞくくつ)を構えたる敵(かたき)大伴蟠龍軒、秋田穗庵(すいあん)の両人、やわか討たずに置くべきか、此の日本に神あらば武士たる者の一分(いちぶん)をお立てさせなされて下されまし」
と其の夜一夜を祈り明かし、夜の白々(しら/\)と明くるを幸い、板子(いたご)を割(さ)いたる道具にて船を漕ぎ寄せようと致しますると、一二丁は遠浅で、水へ入れば腰のあたり、
文「いよ/\神の助け給うか、有難し、辱(かたじけ)なし」
と漸(ようよ)う陸(おか)へ上(あが)りまして、船を引上げ、二人(ににん)の死骸は人目にかゝらぬようにして、島の入口二三丁往(ゆ)けども/\人家はなし、只荒れ果てたる草木(くさき)のみ、人の通りし跡だになければ、流石(さすが)の文治も暫(しば)し呆気(あっけ)に取られて、ぼんやり彼方(かなた)此方(こなた)を眺めて居りましたが、小首を捻(ひね)って、