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じょうけい(あき)
情景(秋)
宮本 百合子
Read 情景(秋) (じょうけい(あき)) by 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 2,323 characters · 5 screens
※(丸ス、1-12-71)紫矢がすり 赤い友禅のドテラ引かぶって櫛のハの通っていない髪 青い半ぐつした。
室中に何とも云えず重い懶い雰囲気がこめている。
その同じ娘が 人中では顔も小ぢんまり 気どる。スースーとモダン風な大股の歩きつきで。
それに対する反感。
十一月初旬の或日
やや Fatal な日のこと。
梅月でしる粉をたべ。
午後久しぶりでひる風呂、誰もいず。髪をあらう、そのなめらかな手ざわりのなごやかさ。
日当ぼっこ、髪かわかしカン※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ス椅子
柿モギの声 昔の家のことを思う
夜。暗い屋敷町
歩いている男 ホームスパン的な合外套の襟を立てて靴の音、
横丁から出て来た犬と少女。すぐつづいて男と女。
ずっと歩いていて、煙草のすいガラをパッとすてた、火の粉が暗い舗道の上に瞬間あかるくころがる。
夕暮。もう家のなかはすっかりくらい。留守で人の居ない庭へ面してあけ放たれている さっぱりした日本間。衣桁の形や椅子の脚が、逆光線で薄やみの中に黒く見える。つめたいさむさ。土の冷えが来るような 庭のしめり。
○西日のよくあたる梢の上かわだけ紅葉しているもみじ。