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にっき

日記

宮本 百合子

Read 日記 (にっき) by 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 62,807 characters · 126 screens

Aozora Bunko

十月十六日

十月十七日

十月十八日

十月十九日

そのうちおとしたのは百八十。

十月十七日(火曜)

宮本の誕生日也。ことしは特別に宮本の健闘のために祝いたいと思う。全く集注した気もちで十七日を迎え、こころのうちに、かたく彼を抱く。

花を国が白山で買って来る。白い菊、その他ちょいちょいで二円八十銭だとおどろいている。

くり飯をたく。繁治さん来、栄さんは四国。うちへ呼ぶ人は国とのとり合せがむずかしいから、こういう程度。

うまい夕飯をたべる。珍しくまぐろ三切入りさしみにする。「本人にたべさせられなくて残念だね」繁治の言。「どうぞその分も上って下さい」

最も祝いたいとしに、こんな顔ぶれ丈で祝う。しかし、わたしたちのこころに充ちている感想は測りしれない豊かさで、こんな小さいうちわの晩餐を却ってうれしく思う。開成山、島田からの荷物が届いて美味い大根おろしをたべた。

〔欄外に〕

先、宮へ草履をくれる。

多賀子、冬羽織とちょいちょいかんづめなどつめ合わせ。

十月十八日(水曜)

巣鴨、

十月十九日(木曜)

大宜味さんをよぶ。金、土、日、ひまがなさそう故。

声は大して変っていなかったが、玄関を入って来るのを見て、目が大きくなるようだった、七月にパラオを出て三ヵ月の間経た辛苦がまざまざと、その色の黒みにも、やせかたにもあらわれている。