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ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
Read 星女郎 (ほしじょろう) by 泉 鏡花 (いずみきょうか) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 52,344 characters · 104 screens
」
「自若として、」
「それは実に澄ましたものです。蟇が出て鼬の生血を吸ったと言っても、微笑んでばかりいるじゃありませんか。早く安心がしたくもあるし、こっちは急って、
(なぜまたこんな処にお一人で。)
と思い切って胸を据えると、莞爾して、
(だって、山蟻の附着いた身体ですもの。)
と肩をぶるぶると震わしてしっかりと抱いた、胸に夕顔の花がまたほのめく。……ああ、魂というものは、あんな色か、と婦に玉の緒を取って扱かれたように、私がふらふらとした時、
(貴下、)
と顔を上げて、凝とまた見ました。」
二十六
「色めいた媚かしさ、弱々と優しく、直ぐに男の腕へ入りそうに、怪しい翼を掻窘めて誘込むといった形。情に堪えないで、そのまま抱緊めでもしようものなら、立処にぱッと羽搏きを打つ……たちまち蛇が寸断になるんだ。何のその術を食うものか、とぐっと落着いて張合った気で見れば、余りしおらしいのが癪に障った。
が、それは自分勝手に、対手が色仕掛けにする……いや、してくれる……と思った、こっちが大の自惚……
もっての外です。
実は、涙をもって、あわれに、最惜しく、その胸を抱いて様子を見るべき筈で。