Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
しょくぶつちしき
植物知識
牧野 富太郎
Read 植物知識 (しょくぶつちしき) by 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 43,784 characters · 86 screens
たくさんあるユリの種類の中で、最もふつうで人に知られているものが、オニユリである。これは中国にも産し、巻丹の名がある。それは花蓋片が反巻し、且つ丹いからである。このオニユリの球根、すなわち鱗茎は白色で食用になるのであるが、少しく苦味がある。このユリの特徴は葉腋に珠芽が生ずることである。これが地に落ちれば、そこに仔苗が生ずるから繁殖さすには都合がよい。
またこのオニユリは往々圃に作ってあるが、なお諸処に野生もある。おもしろいことには東京地方へ旅行すると、農家の大きな藁葺屋根の高い棟にオニユリが幾株も生えて花を咲かせている風情である。オニユリの花は通常一重であるが、時に八重咲きのものが見られ、これを八重天蓋と称するが、テンガイユリはオニユリの一名である。
ヤマユリはりっぱなユリであって、関東諸国に野生し、また人家にも作られている。大きな花が咲き、その満開の時はよく香う。その花蓋片は元来は白色だが、片面に褐赤色の斑点がある。花蓋片の中央紅色の深いものはベニスジユリと唱え珍重せられるが、これは園芸的の品である。ハクオウというのは、花蓋片が白くて斑点なく中央に黄筋の通っているもので、これも園芸品である。