Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
Read 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 101,908 characters · 204 screens
それが終ると、彼はほっとしたような顔つきになって、肘かけ椅子に、ぐったりともたれて、大きな息をついた。
とたんに、廊下にあわただしい足音がしたと思ったら、医務室の扉があいて、看護婦がもどってきた。
あぶないところであった。
看護婦が、もうすこし早く、この部屋へもどってくれば帆村探偵は、たちまち、怪しい行動を、見られてしまうところだった。
「どうしたんですか、看護婦さん」
と、帆村探偵は、なにげない様子で肘かけ椅子にもたれたままたずねた。
「あら、あなたをほったらかしにしておいて、どうもすみません。松ヶ谷さんが、石炭庫の中でたいへんなのよ」
看護婦は、手術の道具を、下へおろすのにいそがしい。が、手よりも口の方は、もっとよく動く。
「あたし、こんなおどろいたこと、はじめてですわ。松ヶ谷団長さんの顔ったら、たいへんよ。顔中すっかり火傷をしてしまって、それに眼が、ああ、もうよしましょう、こんなことをいうのは」
「眼が、どうしたのですか」
「あの様子では、もう永久に、物が見えませんわ、かわいそうに……。盲目になっては、猛獣をつかうことができないでしょう。お気の毒だわね。