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ぼたんどうろう ぼたんとうき
牡丹灯籠 牡丹灯記
田中 貢太郎
Read 牡丹灯籠 牡丹灯記 (ぼたんどうろう ぼたんとうき) by 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 10,676 characters · 22 screens
「その方どもは、何故に人民を悩ますのじゃ」
道人は先ず喬生からその罪を白状さして、それをいちいち書き留めさした。その邪鬼の口供の概略をあげてみると
喬生は、
伏して念う、某、室を喪って鰥居し、門に倚って独り立ち、色に在るの戒を犯し、多欲の求を動かし、孫生が両頭の蛇を見て決断せるに傚うこと能わず、乃ち鄭子が九尾の狐に逢いて愛憐するが如くなるを致す。事既に追うなし。悔ゆるとも将た奚ぞ及ばん。
符女は、
伏して念う、某、青年にして世を棄て、白昼隣なし、六魄離ると雖も、一霊未だ泯びず、燃前月下、五百年歓喜の寃家に逢い、世上民間、千万人風流の話本をなす。迷いて返るを知らず、罪安んぞ逃るべき。
金蓮は、
伏して念う、某、殺青を骨となし、染素を胎と成し墳壟に埋蔵せらる、是れ誰か俑を作って用うる。面目機発、人に比するに体を具えて微なり。既に名字の称ありて、精霊の異に乏しかるべけんや。因って計を得たり。豈敢て妖をなさんや。
武士はその供書を道人の前にさしだした。道人はこれを見て判決をくだした。
蓋し聞く、大禹鼎を鋳て、神姦鬼秘、其形を逃るるを得るなく、温犀を燃して、水府竜宮、倶に其状を現すを得たりと。