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くうしゅうけいほう
空襲警報
海野 十三
Read 空襲警報 (くうしゅうけいほう) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 45,838 characters · 92 screens
と、屋上の司令所にがんばっている隊長は、通信班長の軍曹にたずねた。
「はッ、まだであります」
「遅いなあ。何もわからぬか」
「はッ、さきほど報告いたしましたとおり、敵機らしきものから打ったあやしい無電をちょっと感じましたが、その方向をつきとめないうちに、怪電波は消えてしまいました。北西の方向らしいとわかったきりで、明瞭でありませぬ」
「敵機は、よほど用心しているな。相当に高く飛んで来ているように考えられる」
そのとき、通信兵がツカツカと室に入ってきて、一枚の紙片を軍曹に渡した。
「あッ。……ただ今、先発隊の第二号機から通信がありました。――『本機ニ二三〇三地点ニ達セルモ敵機ヲ発見スルニ至ラズ』……とあります」
「あッ。……ただ今、先発隊の第二号機から通信がありました。――『本機ニ三〇三地点ニ達セルモ敵機ヲ発見スルニ至ラズ』……とあります」
防空飛行隊が暗夜に必死の活動をつづけている間、帝都では、非常管制をはじめ、あらゆる防護の手段が着々として用意されていった。
五反田の裏通では、闇の中に、防護団の少年と住民との間に、小ぜりあいが始まっていた。
「おじさん。どうしても灯を消さないというのなら、僕は電灯をたたきこわしちゃうがいいかい」