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きくもようさらやまきだん
菊模様皿山奇談
三遊亭 円朝
Read 菊模様皿山奇談 (きくもようさらやまきだん) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 189,935 characters · 379 screens
富「むゝう、今の名は何という」
縫「芳と申します」
富「隠しちゃアいかんぜ、少し此方にも調べる事があるから、お前を呼んだのじゃ、此の着物を着た女の名は菊といやアせんか」
縫「はい」
富「左様だろうな」
お縫揉手をしながら、
縫「菊という名に一寸なった事もあります」
富「一寸成ったとは可笑しい隠しちゃアいかん、その菊という者は此方にも少し心当りがあるが、親の家は何処だえ」
縫「はい」
富「隠しちゃアならん、お前に迷惑は掛けん、これは買入れるに相違ない、今代金を遣るが、菊という者なればそれで宜しいのだ、菊の親元は何処だえ」
縫「はい、誠にどうも恐入ります」
富「何も恐入る事はない、頼まれたのだから仔細はなかろう」
縫「親元は本郷春木町三丁目でございます、指物屋の岩吉と申します、其の娘の菊ですが、その菊が死去りましたんで」
富「うん、菊は同家中に奉公していたが、少々仔細有って自害致した」
縫「でございますけれども、これはその自害した時に着ていた着物ではございません」
富「いや/\自害した女の衣類だから不縁起だというのではない、買っても宜い」
縫「有難う存じます、その親も死去りました、其の跡は職人が続いて法事をいたして、石塔や何かを建てたいという心掛なので」