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とうめいねこ
透明猫
海野 十三
Read 透明猫 (とうめいねこ) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 10,223 characters · 21 screens
母親は、放送局にはかわったことがなかったかと聞いた。青二は、なにもかわったことがなく、お父さんは鉛筆を一本くれたと、答えた。
食事がすんだ。
母親が台所の方へいっているひまに、青二は皿の上からたべのこりの魚の骨をそっと掌へうつした。そして急に立って、二階へとんとんとあがっていった。
「青二、お待ちよ、りんごを一つ、あげるから……」
母親が声をかけたが、青二は、
「うん。あとでもらうから、今はいいよ」
と、いいすてて二階へあがった。すぐ机の前へとんでいった。
机の上には、見おぼえのある赤と青とのだんだらのひもと、ゴムのバンドがあった。気味のわるい二つの目玉らしいものも、そこにあった。
「にゃーお。う、う、う」
「これがほしいんだろう。さあ、おたべ」
青二は、魚の骨を、光る目玉の下へおいてやった。すると、かりかりと骨をかむ音がした。骨がくだけて、机の上からすこしもちあがった。そしてそれはやがて線のようにつながって、だんだんと上にあがり、それから横にのびていった。
「き、気持がわるいなあ」
青二は、ぞっとした。魚の骨が、動物の口へはいってくだかれ、それから食道をとおって、胃ぶくろの方へ行くらしい。