Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

とうめいねこ

透明猫

海野 十三

Read 透明猫 (とうめいねこ) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.

N3 · intermediate · modern kanji and kana · 10,223 characters · 21 screens

Aozora Bunko

それが透いてみえるのだった。

「ふーん。たしかにこれは見えない猫だ。透明猫だ。なぜこんなふしぎな動物が生きているんだろうか」

青二は、おそろしくもなったが、またこの見えない猫が貴重なものに思われてきて、膝の上にのせてしきりになでてやった。

そのうちに、二つの目玉が動かなくなった。透明猫は、膝の上でねむりはじめたらしい。しかしそのとき、青二がふしぎに思ったのは、拾ったときはたいへんはっきり見えていた目玉が、今はぼんやりとしか見えないことだった。

おそろしき事件

あくる日、青二はいつものように五時に起きた。

父親は、まだねていた。放送局から夜おそく帰ってくるので、父は朝おそく起きるならわしだった。

だからその朝も、青二は母親といっしょに朝のおぜんについた。茶の間は、台所のとなりで、光線があまりはいらない部屋だった。

「どうしたの、青二。お前の顔は、へんだね。気分でもわるいのかい」

母親が心配そうにきいた。

青二は、べつに気分もわるくなかった。だからそのとおり答えた。

「でもね、青二。どうもへんだよ。なんだかお前の顔は、かげがうすいよ。ぼんやりしているよ」