Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ほんこじ
□本居士
本田 親二
Read □本居士 (ほんこじ) by 本田 親二 (ほんだしんじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 1,638 characters · 4 screens
時代はよく解りませんが、僕の祖父の若い時ですから、七十年ばかり前でしょう。
大隅国加治木に長念寺という寺がある。其寺に、或人が死んで葬られた。生前の名は忘れました。四十九日経ってから家族が墓石を建てたんです。その墓石――高サ約二尺くらいの小さな墓――に、仏名が彫ってある、慥か四字でした。上の字は忘れましたが、「□本居士」と彫ってあります。
その「本」とい字の下の十の横の一に朱が入れてあるのです。今現にその朱が入っています。
その十の字の一画の、由来因縁になるお話ですが、始め、墓石を建てた時、その「本」と云う字が、石工の誤りで、「木」と云う字になっていたのです。
それを誰も気が着かないで、そのまま建ててしまったのですね。
ところが、その墓石を建てた晩に――死んだ人の親友に、妙善と云う僧侶がある、これは別の天総寺という寺に、住職をしていました――その天総寺の門前へ来て、「妙善妙善。」と呼ぶ声がする。
その声が如何にも死んだ人の声に似ている。いつもその天総寺へ遊びに来る度に、そう云う風にその人は呼んでいたそうです。
で、如何にもその声が似ているから、妙善は「まあお入んなさい。