Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
いなか、の、じけん
いなか、の、じけん
夢野 久作
Read いなか、の、じけん by 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 39,535 characters · 78 screens
汽車の実力試験
二人とも揃って低能らしいので、誰も相手にしなくなっていたのだそうです」
と、その巡査の話。
汽車の実力試験
「この石を線路に置いたら、汽車が引っくり返るか返らないか」
「馬鹿な……それ位の石はハネ飛ばして行くにきまっとる」
「インニャ……引き割って行くじゃろうて……」
「論より証拠やってみい」
「よし来た」
間もなく来かかった列車は、轟然たる音響と共に、その石を粉砕して停車した。見物していた三人の青年は驚いて逃げ出した。
あくる朝三人が、村の床屋で落ち合ってこんな話をした。
「昨日は恐ろしかったな。あんまり大きな音がしたもんで、おらあ引っくり返ったかと思うたぞ」
「ナアニ。機関車は全部鉄造りじゃけにな。あんげな石ぐらい屁でもなかろ」
「しかし、引き砕いてから停まったのは何故じゃろか。車の歯でも欠けたと思ったんかな」
「ナアニ。人を轢いたと思ったんじゃろ」
こうした話を、頭を刈らせながらきいていた一人の男は、列車妨害の犯人捜索に来ていた刑事だったので、すぐに三人を本署へ引っぱって行った。
その中の一人は署長の前でふるえながらこう白状した。
「三人の中で石を置いたのは私で御座います。