Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
うさぎとふたりのおじいさん
うさぎと二人のおじいさん
小川 未明
Read うさぎと二人のおじいさん (うさぎとふたりのおじいさん) by 小川 未明 (おがわみめい) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 1,562 characters · 3 screens
ふたりの気むずかしい、おじいさんが、隣り合わせに住んでいました。一人のおじいさんは、うさぎを飼っていました。白いのや、黒いのや、なかには、毛色の変わった珍しいのやらがおって、それを大事にして、我が子のように、めんどうを見てやっていましたが、隣のおじいさんが、毎朝、大きなせきをして、うさぎを驚かすので、そのたびに、眉をひそめて、口のうちで、小言をいっていたのです。
また、こちらのおじいさんは、隣の家では、ろくろく庭も広くないのに、うさぎなどを飼っているので、まだ暗いうちから、うさぎがけんかをして、キッ、キッ、といったりする、そのたびに目をさまさせられて、うるさいことに思っていました。
「こんな、狭い場所で、あんな生き物などを飼うばかがあるものか……。」と、せきをするおじいさんはいったのです。
おじいさんが、こういって、怒るのも無理はない。よく、うさぎが、垣根の下の方のすきまから、紅い目と、とがった唇を出して、こちらのおじいさんが、丹誠している草の芽や、盆栽の葉などを食べたからでした。
ある朝のこと、うさぎを大事にしているおじいさんは、いちばんかわいがっていた黒いうさぎが垣根のすきまから、隣の庭に植わっている、木の葉かなにかを食べているのを、だまって知らぬふりをして見ていました。