Japanese reading practice

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みさごのすし

みさごの鮨

泉 鏡花

Read みさごの鮨 (みさごのすし) by 泉 鏡花 (いずみきょうか) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 23,198 characters · 47 screens

Aozora Bunko

」

「成程、紙屋――あの雑貨店の亭主だな。」

「若い人だ、活きるわ、死ぬるわという評判ものだよ。」

「それで治兵衛……は分ったが、坊主とはどうした訳かね。」

「何、旦那さん、癇癪持の、嫉妬やきで、ほうずもねえ逆気性でね、おまけに、しつこい、いんしん不通だ。」

「何?……」

「隠元豆、田螺さあね。」

「分らない。」

「あれ、ははは、いんきん、たむしだてば。」

「乱暴だなあ。」

「この山代の湯ぐらいでは埒あかねえさ。脚気山中、かさ粟津の湯へ、七日湯治をしねえ事には半月十日寝られねえで、身体中掻毟って、目が引釣り上る若旦那でね。おまけに、それが小春さんに、金子も、店も田地までも打込んでね。一時は、三月ばかりも、家へ入れて、かみさんにしておいた事もあったがね。」

――初女房、花嫁ぶりの商いはこれで分った――

「ちゃんと金子を突いたでねえから、抱えぬしの方で承知しねえだよ。摺った揉んだの挙句が、小春さんはまた褄を取っているだがね、一度女房にした女が、客商売で出るもんだで、夜がふけてでも見なさいよ、いらいらして、逆気上って、痛痒い処を引掻いたくらいでは埒あかねえで、田にしも隠元豆も地だんだを蹈んで喰噛るだよ。