Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
おもいで
ロッパの悲食記
古川 緑波
Read ロッパの悲食記 (おもいで) by 古川 緑波 (ふるかわろっぱ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 52,651 characters · 114 screens
牛鍋からすき焼へ
※(ローマ数字1、1-13-21)
※(ローマ数字1、1-13-21)
「おうなにしますか、それとも、ギュウがいいかい?」
と、僕の祖母は、鰻を「おうな」牛肉を「ギュウ」と言った。
無論、明治の話。然し、それも末期だ。だから、その頃は、牛鍋は、ギュウナベと言いました。
今でこそ、牛肉すき焼と、東京でも言うようになったが、すき焼というのは、関西流で、東京では、ギュウナベだったんだ。今でも、ギュウナベと言いたいんだが、そんなこと言ったら、映画を活動写真と言うのより、もっと嘲われそうだ。いいえ、通じないんじゃないか、第一。
僕が、その牛鍋を、はじめて食ったのは、四谷見附の三河屋だった。
三河屋の牛鍋は、それから何十年間、成長してからも、食った。そして、今でも、牛肉と言えば、三河屋を思う程、深い馴染の店だった。
そして、誰が何と言っても、三河屋くらい美味い店は無かった、と思っている。
四角い、長方形の薄い皿に、牛肉が並んでいる。皿は、周囲に藍色の模様、肉の並べてある中央部は白。その皿が、ずうっと何十年間続いていた。
他と違うのは、その皿の中に、牛肉の上に、タレがかけてあったこと。
タレと言っては間違い、ワリシタと呼ぶのが正しいそうだが、ま、何っちにしても、その汁がかけてあって、女中が、その皿から、牛肉を鍋へ入れた後、皿に残った汁を、鍋の中へあけてい