Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
せんきゅうひゃくにじゅうしちねんはちがつより
一九二七年八月より
宮本 百合子
Read 一九二七年八月より (せんきゅうひゃくにじゅうしちねんはちがつより) by 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 3,969 characters · 9 screens
○能動的な立場のものは 自分によってあのように燃え 情を発し、夢中になるものが可愛く 何も云えず牽きつけられる。自分に向って来る体のすべてが可愛く、触覚に訴えられたすべてを味い、知って居る。――故に女より女の美しさは男が知って居る 美しい女は男が描く。
○女は、男を愛しつつ、男が女を味うように男を味うことは尠い。圧倒される形だから。例えば顔にしろ、男は観る、女は見ないのが普通。一定の感覚にだけ全心の注意をあつめる。故に美感にとぼし。性慾を芸術にまでたかめ得ず
○女に恋着あって、対手を何も云えずいつくしんで見るようになる男の心持ない わけ。
〔欄外に〕
翌朝、何か一種揺蕩たるややエロティックな感じあり。対手を見なおす心持、何か他人でないような気持がする。
いとしさのようなもの、或いやさもあり。
〔一九二八年〕二月三日 モスクワ
午後三時半頃日沈、溶鉱炉から火玉をふき上げたような赤い太陽(円く、大きく)光輪のない北極的太陽 雪のある家々の上にあり 細い煙筒の煙がその赤い太陽に吹き上げて居た。
五時すぎ
モスクワの町を、月が照す。モスクの金のドームを照す。