Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

せんきゅうひゃくにじゅうしちねんはちがつより

一九二七年八月より

宮本 百合子

Read 一九二七年八月より (せんきゅうひゃくにじゅうしちねんはちがつより) by 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 3,969 characters · 9 screens

Aozora Bunko

(月の光のとどかぬ暗い隅で刃物磨ぎをする男の転り磨石とホー丁の間から火花が散り、金ものの熱する匂いがした。)

この日没と満月の出の間、非常に短く、月は東に日は西という感じが、街を歩いて居る自分にした。

「七銭で結構だよ」

「いいえ! 駄目駄目」

リンゴを二つ持って、カーチーフをかぶった若い女が、大道商人とかけ合って居る。

女乞食が、外国人の女の傍について、

「御慈悲深いお嬢さん、小さい娘のためにどうぞ」

女は、見向きもせず歩いて行く。

コムソールが、羊皮外套をきて、二人来た。その外国の女を見て

「из 上海」

その時大きナ菓子屋の軒先にパッと百燭の電燈がともった。

中央電信局の建築場では、労働者と荷橇馬が出切った木戸を、つけ剣の銃を手にもった若い番兵がしめて居る。彼の頭の上につられて居る強力な電燈が凍った雪の上に、垂直に彼の影を、きたない、大きな皮外套の裾の下に落した。

○夜八時

ストロー※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ヤを出たら、煙が街にあるようで、段々それが濃くなった。霧。

四日

橇の馬の体に汗が凍って、毛が真白に凍って居る。

人間の男の髭も白い。