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ごじゅうねんだいのぶんがくとそこにあるもんだい
五〇年代の文学とそこにある問題
宮本 百合子
Read 五〇年代の文学とそこにある問題 (ごじゅうねんだいのぶんがくとそこにあるもんだい) by 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
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だけれども、社会と文学との諸問題について、「同時代に対する少しぐらいの盲点をおかしても、むしろ現代の論理を把握する技術として、創造への道を提示する」(「批評の盲点」瀬沼茂樹)批評があってよいし、なくてはならないのは、事実ではないだろうか。「現代において、現代の真の意味から文学を判断することは生やさしいことではなくても、日常批評においても、仮りに私が一定の歴史的立場からする批評とよぶものを貫徹することが必要である」(同上)
福田恆存のように一九四九年を、「知識階級の敗退」の年と概括することは、日本の内部に実在する民主的勢力の実際のうごきをあっち側に立って見ての一方的な見かたになる。一九四八年の下半期から四九年にかけて、基本的人権の防衛に関する生活実感の高まりと民族の自立のための統一戦線の必要の実感は、一九三三年以後の人民戦線運動のころよりも、深くひろく、肉体的になっている。それは、アジアにおいての日本が、世界人類に対して独特な苦しい良心的立場におかれているという事実に立っている。朝鮮が隷属からときはなされ、中華人民共和国が確立し、アジアの半植民地、植民地のすべての土地に民族自立の運動がおこっていて、それぞれに成功に進みつつあるとき、自身としては武器をすてている日本人民が、全アジアに対して、小さいけれども