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じんぞうにんげんエフし
人造人間エフ氏
海野 十三
Read 人造人間エフ氏 (じんぞうにんげんエフし) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 53,879 characters · 109 screens
いまエフ氏は、真暗な空を、ひゅーっとうなりごえをあげながら、砲弾のように、東の方にむかってとんでいく。
そして、どうしたのか、ときどき身体がぱっと気味わるく光った。光るたびに、エフ氏の身体は空中でぐるぐる廻転して、まるで人間花火みたいであった。エフ氏の身体は、だんだんと、空高くのぼっていくように思われた。その当時、あれ模様の空からは、急にはげしい風が吹きはじめたが、それはエフ氏が風の神に早がわりをしたかのように思われた。
エフ氏は、はげしいいきおいで、空をとんでいく、夜中だから、まだいいようなものの、もしもこれが昼間であったとしたら、道ゆく人たちは、空を飛ぶ少年姿のエフ氏を仰いでさぞ胆をつぶしたことであろう。きっと、百人や二百人は、目をまわすものがでてきたことであろう。
岩窟の押し問答
岩窟の中では、帆村と正太の二人が、元気をもりかえした。エフ氏がとびだしたので、イワノフ博士は、すっかりあわてている。そこをねらって、帆村と正太とは、右と左とから、博士をおさえつけたのだった。
「さあ、イワノフ博士。しずかになさい」
「あっ、わしをおさえて、一体どうしようというのか」