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かめんのきょうふおう
仮面の恐怖王/電人M
江戸川 乱歩
Read 仮面の恐怖王/電人M (かめんのきょうふおう) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 153,590 characters · 308 screens
そのとき、小林君が、うれしそうな声をたてました。
「あっ、枝道だっ。」
パッと懐中電灯をつけたとき、それをみつけたのです。ほらあなが右と左にわかれていました。右のほうが、左よりひろいような気がしました。
「よし、右へいこう。電灯をつけるんじゃないよ。ぼくたちが、どっちへいったか、わからせないようにするんだ。そうすれば、ゴリラは左のあなへはいっていくかもしれない。そして、ぼくらは、たすかるかもしれないのだよ。ぼくは、さっきから、枝道へくるのを待ちかねていたんだ。」
小林君は、そういって、ポケット小僧の手をひいて、右のほらあなへすすんでいきました。
すこしいくと、道がまがっていて、うしろから見えないようになりましたので、いそいで懐中電灯をパッとつけて、パッと消しました。
そのしゅんかん、一目で見たところでは、ほらあなのようすは、いままでと、あまり、かわっていないことがわかりました。
やっぱり、いまにもくずれそうな、やわらかい土、道にながれだした土の山、くさったまるたの柱。
「そっと歩くんだよ。ぼくらの歩く地ひびきでも、土がくずれるかもしれないからね。」
小林君はそういいながら、なおも、おくへすすんでいきましたが、五―六歩あるくと、ふと立ちどまって、耳をすましました。