Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

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かめんのきょうふおう

仮面の恐怖王/電人M

江戸川 乱歩

Read 仮面の恐怖王/電人M (かめんのきょうふおう) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.

N3 · intermediate · modern kanji and kana · 153,590 characters · 308 screens

Aozora Bunko

しばらく、そうしているうちに、明智探偵の顔がニコニコと笑いの表情になりました。すると、ああ、ごらんなさい。壁にかけてある道化師のお面もニヤッと笑ったではありませんか。

「アハハハハ……、おい、そこの、ピエロ君。きみは生きた人間だね。壁のあなから顔を出して、お面のようにみせかけているんだね。そうして、ぼくを見はっているんだろう。」

明智に見やぶられて、壁のお面がかっと目を見ひらき、口をうごかして答えました。

「やっと、わかったね。だが、名探偵明智小五郎にしては、ちと、おそすぎたよ。」

その壁には、もともと、土でできた道化師のお面がかけてあったのですが、悪者は、じぶんの顔に、そのお面とおなじけしょうをして、ときどき壁のあなからお面をひっこめ、そのあとへ自分の顔をつきだして、明智のようすを見はっていたのです。

「しかし、そんなことをしていては、きみもくたびれるだろう。どうだ、こちらへ、はいってこないか。」

明智が、まるで、友だちにでもいうように話しかけました。

「そりゃ、くたびれるがね。だが、いくらくたびれたって、きみのさしずはうけないよ。」

道化仮面が、あつい、まっかなくちびるを動かして答えます。