Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Read 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) by 岡本 綺堂 (おかもときどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 203,094 characters · 411 screens
おいよはやがて引返して内に入る。)
おいよ ほんにもう薄暗くなった。あかりをつけて、早く裏口の戸締りをしましょう。
お妙 まったく此頃は戸締りが大切です。
(おいよにお妙も付添いて奥に入る。風の音。下のかたより以前の昭全が源五郎を案内して出づ。源五郎は二十二三歳の猟師にて、火縄銃を持つ。昭全は家内を指して何か囁けば、源五郎は半信半疑の体にて考えている。)
源五郎 (小声で。)おまえは確に見たか。
(昭全うなずく。)
源五郎 (また疑うように。)併しこれはよく考えてみなければならない。して、和尚様は何と云われた。
昭全 (小声で。)和尚様は嘘だと云うのだ。
源五郎 むむ。誰でも嘘だと云うだろう。おれにしても本当とは思われないからな。
(源五郎は内をのぞきながら又考えている時、奥よりお妙は行燈をとぼして出づ。)
お妙 誰かそこにいるような。(表をすかし見る。)
源五郎 おお、お妙さん……。(小声で。)おれだ、おれだ。ちょいと来てくれ。
(お妙は源五郎を見つけて、奥をみかえりながら縁を降りる。)
お妙 なにか用ですかえ。
源五郎 むむ。ここでは話が出来ない。まあ、そこまで来てくれ。