Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Read 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) by 岡本 綺堂 (おかもときどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 203,094 characters · 411 screens
どれ、どれ。
(蛇は進んで蓮の葉のそばへ行き、足にて軽くうごかせば、蛙は葉のあいだより顔を出し、蛇を見るよりはっと縮まる。)
蛇 案の定、こんなところに隠れていた。さあ、もう逃がしはしないぞ。おとなしくしていろ。
(蛙は葉をかぶりしまま逃げんとす。)
蛇 ええ、逃げても駄目だぞ。おれにみこまれたらもう一と足でも動けるものか、はははははは。
(蛙は小さくなりてうずくまる。蛇はしずかにねらい寄る。蛙は這いながら逃げまわる。以前の娘又もや衣をかかえていず。)
娘 どうしても明日は雨らしい。降らないうちにもう一枚洗って置こう。(云いつつ歩み来たりしが、このていを見るより走り寄る。)まあ、待ってください。可哀そうにこんな小さな蛙をどうするのです。
蛇 どうするといって、強いものに出逢った弱い者の運命は大抵きまっているのだ。
娘 でも、あんまり可哀そうで……。まあ、御らんなさい。あんなに小さくなってふるえていますよ。
蛇 今にふるえることも出来なくなるのだろう。
娘 後生ですからその蛙を堪忍してやってくださいな。今わたしがあの着物を洗っていたときに、面白そうに唄っていたのはきっとあの蛙でしたよ。