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しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
Read 出家とその弟子 (しゅっけとそのでし) by 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 121,812 characters · 248 screens
丁稚二人登場。角帯をしめ、前だれをあて、白足袋をはいている。印のはいったつづらを載せた車を一人がひき、一人が押している。
丁稚一 もっとゆっくり行こうよ。
丁稚二 でもおそくなるとまたしかられるよ。
丁稚一 私はくたびれたよ。
丁稚二 またゆうべのように居眠りするとやられるよ。
丁稚一 でも眠くてねむくてしょうがなかったのだよ。
丁稚二 ずいぶん暑いね。(手で汗をふく)
丁稚一 そんなに草履をパタパタさせな。
丁稚二 たくさんな人だね。
丁稚一 皆お寺参りだよ。
丁稚二 見せ物の看板でも見て行こうか。
丁稚一 (ちょっと誘惑を感じたらしく立ち止まる)でもおそくなるとしかられるから早く行こうよ。(退場)
親鸞 世のさまざまな相が見られるな。私は昔から通行人を見ているとさびしい気がしてな。
唯円 私もさっきからそのような気がしていたのです。
親鸞 ここでしばらくやすんで行こうか。
唯円 それがよろしゅうございます。(座ぶとんを持って来て敷く)きょうはよく晴れて比叡山があのようにはっきりと見えます。
親鸞 (すわる)あの山には今もたくさんな修行者がいるのだがな。
唯円 あなたも昔あの山に長くいらしたのですね。