Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
Read 出家とその弟子 (しゅっけとそのでし) by 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 121,812 characters · 248 screens
心配する事はありません。実は私も唯円と同じ心持ちで暮らしています。病気の時は死を恐れ、煩悩には絶えず催され、時々はさびしくてたまらなくなる事もあります。踴躍歓喜の情は、どうもおろそかになりがちでな。時に燃えるような法悦三昧に入る事もあるが、その高潮はやがて灰のように散りやすくてな。私は始終苦しんでいます。
僧一 (驚きて親鸞を見る)あなたがですか。
親鸞 私はなぜこうなのだろうといつも自分を責めています。よくよく私は業が深いのだ。私の老年になってこうなのだから、若い唯円が苦しむのも無理はない。しかし私は決して救いは疑わぬのだ。仏かねて知ろしめして煩悩具足の凡夫と仰せられた。そのいたし方のない罪人の私らをこのまま助けてくださるのだ。
僧三 では知応殿のお考えは間違いでございますか。
親鸞 いや間違いではない。人によって業の深浅があるのだ。法悦の相続できる人は恵まれた人だ。私はそのような人を祝福する。ある人は煩悩が少なく、ある人は煩悩が強くて苦しむのだ。ただ法悦を救いの証とするのが浅い。知応にも話そうと思っているがよくお聞きなさい。救いには一切の証はありませんぞ。