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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Read 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) by 佐々木 邦 (ささきくに) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 119,262 characters · 243 screens
「何故?」
「落第しないのが当り前だろう? 君は十何年も学校へ通って、やっとそれ丈けの自信がついたのかい?」
「厭に突っかゝって来るんだね」
「もう少し何とか色をつけて貰いたい。先方は才媛だぜ。縁談ってものには釣合がある」
「君は僕を馬鹿にするのか?」
と菊太郎君はようやく刺戟を感じ始めた。
「それどころか、僕は君を秀才として推薦したいんだよ。君が伯爵の令嗣とか百万長者の総領とかというのなら、少し間が伸びていても構わないが、株屋の息子さんとしては何か身についた取柄がないと問題にして貰えない」
「しかし秀才は諦めている」
「正直な男だな。仲人口の秀才で宜いんだ。中から少し上ぐらいの成績を取ってくれ。一生に一遍ぐらい本気になって勉強しても罰は当るまい」
「間に合うか知ら? 今からで」
「後半月あるよ」
「斯うと分っていたら、兵隊はやるんじゃなかった」
「見給え。我が身を抓って人の痛さを知れだ」
と僕は豊子さんのことを思い出した。
「中以上の成績で卒業すれば、見込があるだろうか?」
「あるとも。中以上ですと言うのと中以下ですと言うのは大変な違いだよ。言う人だって言い好いよ」
「よし。