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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Read 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) by 佐々木 邦 (ささきくに) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 119,262 characters · 243 screens
これからだ。しかし話のよく分る御夫婦だから、俺も張合がある」
と親父は上機嫌だった。
「結構でございました。仲人口のきけるお方じゃありませんから、私もお案じ申上げていましたけれど」
と母親が犒った
「何あに、これでもイザとなれば相応にやるんだ」
「お骨折りでも、今御面倒を見て差上げて置けば、日出男が又お世話になることもございましょう」
「情けは人の為めならずか? しかし日出男や」
「はあ」
「斯ういう縁談は余り感心出来ないよ。下から出て、あやまり閉口するんだから、第一、器量が悪い。その上に後々が思いやられる。こんな貰い方をすると、菊太郎さんはお嫁さんに頭が上るまい」
「あれはあゝいう男ですから、何処からどんな貰い方をしたって同じことでしょう」
「いや、人の振り見て我が振りだ。お前も気をつけなければいけない」
「はあ」
「市※さんも今度は大分首を捻ったようだけれど、菊太郎さんがあの通り狂人のようになっているから、仕方なしに我を折ったのらしい。愚痴をこぼしていたよ。嫁は矢っ張り当てがい扶持が一番簡単のようだ」
「さあ」
「後の納まりも、その方が簡単に行く」
「しかし一生の大事ですから、簡単ばかり重じる問題じゃないでしょう」