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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Read 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) by 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 251,906 characters · 495 screens
死すと。
「第3図 飛狐猴」のキャプション付きの図
第3図 飛狐猴
漢の東方朔の『十洲記』には南海中の炎洲に風生獣あり、豹に似て青色、大きさ狸(野猫)のごとし、網で捕えて薪数車を積み焼くに、薪尽きても燃えず灰中に立ち毛も焦げず、斫っても刺しても入らず、打てば灰嚢のごとし、鉄槌で数十度打ってようやく死ねど、口を張って風に向ければ暫くして復活く、石菖蒲でその鼻を塞げば即死す。その脳を菊花に和し十斤を服せば五百年生き得と。唐の孟※(「王+官」、第3水準1-88-12)の『嶺南異物志』には、この獣常に一杖を持って指すに、指された鳥獣皆去る能わず、人を見れば杖を捨つ、人この獣を捉えあくまで打てば杖を指し示す、人その杖を取って物を指し欲するところに随わしむと載す。奇怪至極な話だがつらつら考えるにこれはコルゴを誇張したのだ。コルゴ(第三図)英語でフライイング・レムール(飛狐猴)、またフライイング・キャット(飛猫)、「乳母ここにももんがあがと子供いい」というモモンガに似たようだが、全く別類で、モモンガは前後脚の間にのみ張った皮膜ありて樹上から飛び下るを助くるが、コルゴの飛膜は前後脚間に止まらず前脚と頸側、後脚と尾の間にも足趾間にも張られ居る状蝙蝠に髣髴たり。