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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Read 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 127,035 characters · 254 screens
一、その方屋敷内の儀、格別の美麗を尽くし、衣食並びに翫木石に至るまでも、天下比類なき結構にて、居間長押釘隠し等は、金銀無垢にて作り、これは銀座の者どもより、賄賂として取り候ものの由、不届き至極。
二、諸大名官位の儀は、天聴へ奏達も有之、至って重き儀に御座候処、金銀をもって賄賂すれば、容易く取り持ち、世話仕候不届き至極。
三、近年詮挙進途の権家は、皆その方親族の者ばかりにて、その方の召使いの妾等を願望の媒となし、度々登城仕らせ、殊に数日逗留、その節莫大の金帛相い贈り、内外の親睦を結び置き候儀、不届き至極。
四、諸事倹約と申す名目を立て、自己のみ奢り、上を虐げ、下を搾取す。不届き至極。
等々と云ったような条目が、斬奸状には連らねてあった。
二月が来て春めいた。隅田川に沿った茶屋の奥の部屋で、お品と新八郎とが媾曳きをしていた。
「お品、こいつを着けてやろうか」
新八郎は鉄で作った、刺のある不気味の貞操帯を揺すった。
「阿呆らしい」
とお品は一蹴してしまった。
「そんなもの嫌いでございます」
「お品、こいつを冠せてやろうか」
新八郎は驢馬仮面を撫でた。
「馬鹿らしい」