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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 241,558 characters · 480 screens
はじめっから日本橋に須田町に湯島の下に水戸屋敷前と、それから牛込、四ツ谷、土橋御門の七所に七つのから駕籠がござえますといったんじゃ、話がはでにならねえからね。景気よく驚かしてやろうと思って、ついその江戸八百八町のべたらといったまでなんですよ。七丁きりじゃだんなは不足なんですかい。え! だんな! ご返事しだいによっちゃ、あっしにも了見があるんだ。ね! だんな! だんなはただの七丁じゃ気に入らねえというんですかい!」
「ウフフ。しようがねえな、つまらねえところで、けんかを売るなよ、けんかをな。気に入るにも入らねえにも、七丁なら七丁でいっこうさしつかえはねえが、七丁のそのから駕籠ってえのは、いったい、どっちを向いているんだよ」
「フェ……?」
「とんきょうな返事をするなよ。日本橋から始まってるか、土橋から始まっているか知らねえが、七つのそのから駕籠はちぐはぐに向いているか、それとも一つ方角に向いているか、それを聞いているんだ。いってえどっちを向いているんだよ」
「ちぇッ、何をとち狂ったことおっしゃるんですかい! ばかばかしいにもほどがあらあ。だから、あっしゃときどき、だんなながらあいそのつきることがあるんですよ。