Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 241,558 characters · 480 screens
それに、見りゃ妙見堂とお閻魔さまとふたところじゃござんせんか。まさかに、あっしのお目にかかった練塀小路の死骸が、ひとりでに柳原まで浮かれだしていったんじゃありますまいね。え? ちょいと、だんな。――おやッ、かなわねえな。ね、ちょいと、だんな。急にまたどうしたんですかい。ね、だんな! 何が気に入らねえんです。え? ちょいと、だんな! 何をおこったんですかい」
めんくらったのも無理はない。いいこころ持ちに音をあげながらひょいと見ると、すぐにも外出のしたくを始めるだろうと思われた名人が、どうしたことか、お組屋敷へ帰るやいなや、急にむっつりと黙り込んで、ゆうゆうと庭先へ降りながら、そこに並べてあったおもとのはちを、あちらへひねり、こちらへひねり、しきりとのんきそうにいじくりだしたからです。いや、そればかりではない。にわかに三、四十、年が寄りでもしたような納まり方で、紅筆と番茶の冷やしじるを持ち出すと、おもとの葉の裏と表を丹念に一枚一枚洗いだしたので、さっとたちまち伝六空がかき曇ったかと見えるやいなや、ものすさまじい朝雷がガラガラジャンジャンと鳴りだしました。