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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 241,558 characters · 480 screens
てまえは、そなたがお選みなすった残りでよろしゅうござる。こうなれば急ぐが第一、貴殿、いずれをお取りじゃ」
これには敬四郎、はたと当惑したにちがいない。両方ひとり占めにしたいはやまやまだが、そうすればまた詮議追跡申しぶんがないが、そもそも二つの道をかぎ出し、探り出し、切り開いてくれたのは、自分ではない、同役右門なのです。しかも、みずからはあとでよい、残りでよいと、公明正大に出られては、あば敬たる者いささかまごつかざるをえないのです。
「えへへ。さあ、おもしれえや。どっちを取るか、腕の分かれめ、てがらのわかれめ、いいや、道のとり方によっちゃ、知恵の浅い深いがおのずとわかることになるんだからね。どうですえ? 敬だんな。右門のだんなは気が長くとも、あっしゃ気がみじけえんだ。早いところどっちかにお決めなさいよ」
せきたてる伝六をいまいましげににらめつけながら考え惑っていたが、手下の直九、弥太松ふたりに目まぜを送って、さっと立ち上がると、吐き出すようにいいました。
「浅草へ行くわい! かってにせい!」
「えへへ。すうっとしやがったね。浅草へ行くわい、かってにせいがいいじゃござんせんか。