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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 241,558 characters · 480 screens
声はない……。
四半刻!
声はない……。
半刻!
声はない……。
しんしんとただ気味わるく静まりかえって、なんの声も放たぬなぞの青人形に注がれている三人の目が、六つのひとみが、怪しく輝き、異様に光り、とんきょうに輝きながら、ぶきみにきらめいているばかりです。――いや。やがて、ぱらりと名人の鬢の毛が、三筋、四筋、六筋、七筋、青白く思案に沈んだそのほおにみだれかかりました。――とたん、かすかにそれがゆれたかと見えるや同時に、はらわたをふり絞ったような声が、悲壮に、うめくように放たれました。
「わからぬ! わからぬ! くやしいな! 伝六ッ」
「…………」
「解けんわい! 解けんわい! この人形のなぞばかりは、なんとしても解けぬ。自害にちげえねえんだ。火口一つより出はいりする口はねえ、その口を中から塗りこめてあったからにゃ、自害にちげえねえんだ。だのに、だのに、くやしいな! 伝六ッ。――みろ! この人形を、とっくりとみろ!」
「み、みているんですよ。そ、そんなに悲しそうな声でおこらなくとも、ちゃんと見ているんですよ」
「見たら、おめえにだってもわかるはずだ。ワガ姿ヲ写ス、弥七郎作と銘が入れてあるんだ。